サイクロン・ハロルド1

昨日来、気になっているニュースです。サイクロン・ハロルドがカテゴリー5に勢力を強め、ゆっくりとバヌアツを南下しています。

昨日4/5付、マタンギトンガ紙(トンガ)
https://matangitonga.to/2020/04/05/tc-harold-cat-4-intensifies-near-vanuatu
トンガまで到達することを警戒しています。

4/5付、フィジーTV
https://www.fijione.tv/news-posts/fiji-will-start-to-see-initial-impacts-of-tc-harold-from-tomorrow-night/
今日の夜からフィジーでも影響が出始めるだろうとのこと。既にカテゴリー5に勢力を拡大しています。

今朝、4/6のフィジー・タイムズ紙
https://www.fijitimes.com/harold-intensifies-to-a-category-5-storm/
今回は雨も風も強いものとなりそうです。フィジーでは明日、明後日に通過する見込みで、どの経路を通るのか、注視する必要があります。

本日4/6付、アイランド・ビジネス誌
https://islandsbusiness.com/breaking-news/item/2761-tc-harold-luganville-s-mayor-fears-rebuilding-effort-will-be-huge.html
直撃を受けているバヌアツ第2の都市、ルーガンビルからのレポートが掲載されています。

近年、自分が直接関連したものでは、2012年のサイクロン・エバン(カテゴリー4、フィジー西部で被害)、2015年のサイクロン・パム(カテゴリー5、バヌアツ全土で被害)、2016年のサイクロン・ウィンストン(カテゴリー5、南半球で史上最大の勢力、フィジー全土(特に東部北部)で被害)があります。

2015年、仙台で開催された第3回国連防災世界会議への応援出張で日本に向かうナンディ空港で、サイクロン・パムがバヌアツを直撃する可能性があるとの予測が立つ中、同会議に向かうバヌアツ大統領一行と偶然一緒になりました。そこから、急遽アテンドを開始し、都内のホテルまで同行。その2、3日後、自分は外務省のチームで仙台に移動しましたが、その時には、サイクロン・パムはバヌアツを直撃している状況でした。

国連防災世界会議の際の、ロンズデール・バヌアツ大統領(残念ながら2017年に逝去)のスピーチは世界中に流れ、その後のバヌアツ支援に繋がりました。

サイクロン・パムの時は、バヌアツ北東部から南下し、首都をややかするようなルートで、特にバヌアツ南部に大きな被害をもたらしました(バヌアツはYという字を左に傾けたように島が並んでいます。パムの時はYの右上から南下してきた)。

今回のサイクロン・ハロルドは、北西方向から南東方向に抜けるように、勢力を高めながら、ゆっくりとした速度で移動しているようで、場合によっては、サイクロン・パムを超える被害をもたらすかもしれません。

しかも、今は新型コロナの影響で、例えば全世界の青年海外協力隊員が帰国したように、援助関連であっても人が動きにくい状況にあり、外部環境も厳しい状況にあります。

バヌアツでは、イギリス、フランス、豪州が強い影響力を有するので、これにNZが加わった国々が初期段階から対応し、その後の数カ月にわたる復興支援に、米国、日本、中国が加わるというのが従来考えられる対応ですが、今回はコロナがあり、各国が傷ついている状況で、どこまで対応できるのかが気になるところです。

フィジーでは新型コロナ感染者が増える中、複合災害の様相を見せ始めています。

バヌアツとフィジーにいる現地の友人の皆さんを含む人々の無事を祈ります